ぼっちな彼女と色魔な幽霊
ひとり俯いてたら、少しして「なんで来ねーんだよ」と、乱暴でとっても優しくない言い方をするヨウが目の前にいた。
「女の子は優しくされたいんだよ。バカ」
「女の子はバカって言わない」
「バカにはバカっていうの。バカ」
「いいから帰るぞ」と、わたしの手をとって歩き出した。
……冷たいのに、触れられるのが嫌じゃない。なんかくすぐったいのに、もっと欲しい。
ヨウがわたし以外の誰かに会いに行っているところを想像するだけで、胸が苦しい。
いつかいなくなる存在だって、幽霊だってわかってるのに。
わたし、今ヨウに泣いてると思われてるのかな。
泣いてないけど、ずるいから泣いてるようにみせるのを続ける。
わたし、ちょっと自分を可愛い女の子に見せたがってる。
「……卒アル見てたんだよ」
ヨウは呟いた。