ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「卒アル?」
「ここの学校の。朝とか夜とか人がいない時間に学校に行ってた。
お前にも手伝わせようかと思ったけど、学校のセキュリティとかよくわかんねーし、夜連れてったりしたら恐いとか騒いでうるさそうだし。
んでまあ思い出せるような顔ないかなーとか、どこかに俺の写真紛れてないかなとか、そういうの調べてた」
「……なにかあった?」
「全然。俺の顔どころかピンとくる顔もなかった。なんも思い出せなかった」
「……そっか」
「もしかしてこの制服はコスプレだったりな」と、笑った。
「……」
「笑うとこだろ。つうかひとつだけ笑えるの見つけたな。お前の担任なんだっけ名前?」
「亀山まるみ」
「そうそう。あいつの制服姿くらいかな。卒アル載ってた」
「えっ? かめちゃん、うちの学校の卒業生なんだ」
「なんかくせ毛がすごかったぞ」と笑った。
あれは大学デビューくらいだろと。冴えない感じだったらしい。