ぼっちな彼女と色魔な幽霊
それから寂しげな顔で、「だけど、昨日はよくわかんねーんだよな」と、呟いた。
「急に意識がなくなるような感覚になって、気がついたらさっきの駅にいた。
勿論意識ない間は何も覚えてない」
「そ……それって」
「なんかわかんねーよ。もしかしたらこうやって少しずつこの世にいられる時間が減っていって気がついたら成仏してくのかなとか思ってた」
「……」
「けど意識が遠のく瞬間、もう戻ってこれない気がしてなんか恐かったな」
「……」
「成仏したいとか言ってたはずなのにおかしいよな。本当に死ぬのってこえーのかな?」
笑っているのに泣いているように見えた。
すっかり顔をあげていたわたしは、簡単に涙がこぼれた。