ぼっちな彼女と色魔な幽霊

ポタッと額に雨の雫が落ちた。

にわか雨になりそうだ。

ヨウに会いたいな。

なんだろ。

寂しいのかな。

バカにして笑ってほしくて堪らないよ。

「ヨウ!」

頭で呼べば来てくれるんでしょ?

カレー冷める前に食べにきてよ。

川を覗こうと一歩前に足を出すと、ぬかるみに足をとられ、そのまま二メートル位下の砂利の歩道に滑り落ちた。

いたた。バカだわたし。泥、ついちゃったかも。

……それより。

「カレー!」

砂利の上にご飯やルーが広がり、皿は蓋をしているみたいにひっくり返っていた。

「全部落ちちゃった」

食べさせるって約束したのになぁ。

ヨウにまで愛想つかされたら、わたしどうしよう。

ずっとぼっちなのかな。

こんな風な考え方しかできないから。

人に好かれないのかな。

人の気持ちに気づくこともできないのかな。

だから良く思われなくて、自分が思う程、仲良くなれないのかな。
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