ぼっちな彼女と色魔な幽霊
家に帰るとなんだか身体が寒くて寒くて、さすがのママも服を汚して帰ってきたものだから、劇の練習?なんてことは言わずに心配してた。
汚れた身体をバスタブにつけて温める。
わたしはなにがショックだったんだろ。
頭がいつもよりぼんやりする。
お風呂からあがり、ヨウにおにぎりを握ってあげようと思った。
だって、わたしのせいでお昼食べ損ねてしまったわけだし、お腹がペコペコに違いない。
キッチンの扉に手をかけると、「おいっ」と、ヨウに止められた。
「あ……今日はいたんだ。今から準備するから」
「そうじゃなくて」
「いいから寝ろ。絶対具合悪いだろ」
「でも」
「いいから」
腕を掴まれてそのまま階段を上る。
譲らないはずのベッドにわたしは座らされた。
「今日くらいはな」
偉そうに言い放つ。
「ありがと」
自分で掛け布団をかけて、目をつむる。
今日はなんだか寂しい。
寂しくて、ひとりでいたくない。