ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「ヨウ?」
心細くて呼んでしまう。
「ん?」
ああいるんだ。安心する。
「今日は一緒にいてくれる?」
「うん」
「消えないでよ?」
「消えねーよ」
「勝手に成仏したら赦さないから」
「成仏、許可制?」
「そうだよ。わたしの許可が必要なんだよ。閻魔様より厳しいんだからね。あの世に行くには」
ヨウは手のひらをわたしのおでこにのせた。
冷たくて、気持ちよくて、ずっとこうしていてくれたらな、と願うくらい幸せを感じた。