ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「ヨウ?」

心細くて呼んでしまう。

「ん?」

ああいるんだ。安心する。

「今日は一緒にいてくれる?」

「うん」

「消えないでよ?」

「消えねーよ」

「勝手に成仏したら赦さないから」

「成仏、許可制?」

「そうだよ。わたしの許可が必要なんだよ。閻魔様より厳しいんだからね。あの世に行くには」

ヨウは手のひらをわたしのおでこにのせた。

冷たくて、気持ちよくて、ずっとこうしていてくれたらな、と願うくらい幸せを感じた。
< 198 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop