ぼっちな彼女と色魔な幽霊

ぐっすり眠っていたのだと思う。

ふと目を覚ます。

身体、だるい。

だけどひとりじゃないってすぐわかると、身体なんかどうでもよくなった。安心したんだ。

声なんかかけなくても、ヨウと呼ばなくても、彼はそこにいるとわかるところにいたから。

わたしはヨウにしっかり抱きしめられていた。

いつもなら冷たくて声をあげていたのに、今日はなんだか丁度よく感じた。

体温ってなんだろ。

なんか嫌じゃないのが不思議で、声をかけるのがもったいなくてもう一度目を閉じた。

もしかして都合のいいわたしの夢かもしれないとも思った。

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