ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「ねえ、二嶋」
「ん?」
「人の恋愛とか、ほんっとうにどうでもいいんだけどさ、花愛先輩のことあのままでいいの?」
「なに急に?」
二嶋くんは笑ってストローに口をつける。
「バレてないと思ってんの? 好きなんでしょ? さっさと告ればいいのに。バカだよね」
「は。何言ってんだよ」
「ずっと引きずってるくせに。男らしくないんだよ」
「……いいんだよ。つうかフェアじゃねーし、このタイミングで言うの」
「フェアもなにも、もうフリーなんだから、好きなら行けばいいじゃん」
「うっせーな。俺だって、色々考えてんだよ」
「考えてるだけじゃん。そんなの誰だってできるじゃん。行動に移せっていうの」
「はいはい」と二嶋くんはそれ以上話を続けたくないのか、受け流す。
だけど、「……じゃないと、あたしも辛い」才伽ちゃんが、俯いて呟くからシンとした。