ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「そっか。才伽ちゃんは平気なの?」
「えっ?」
「辛いって言ってたから……というか、ごめんね。山下さんから聞いちゃって。中学の頃から、才伽ちゃんが二嶋くんのこと好きだって」
「まじか。そんなこと教えられてたの?」と笑って息を吐く。
「じゃあさ、ハブられてたことも聞いた?」と、わたしの目を見つめて言うから、嘘はつけなくて頷いた。
「まあ、今も友達いないから、意外でもないか」
才伽ちゃんは、自虐的に笑うけど、わたしは胃の中が熱くなって、気づいたらまくしたてるように言っていた。
「才伽ちゃんは、友達いるよ。
だって、遠矢くんになんでも思ったこと話せてるし、二嶋くんだって、才伽ちゃんのこと気にかけてるの、わたしでもわかるよ。
そういう人が友達なんじゃないのかな?
上部だけじゃなくて、気持ちで付き合える子。
それなのに、友達がいないなんて言えるのはただの贅沢だよ。
だって……わたしは、才伽ちゃんが羨ましかった」
そして、嫉妬だと気づいた。今、友達がいないのは、わたしだと言いたいだけだ。主張したかっただけだ。
周りの優しさに気づければ、ひとりなんて思わない。
そのくらい、本当は幸せなんだって、羨ましいから、憧れるから、僻んで責めたくなったんだ。
だって、わたしから見たら、憧れて手に入らないとても眩しいものだから。
それを大事にできないなら、わたしが欲しいくらいに。