ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「えっ?」
「だから、俺はお前がなにか俺のこと知っていると思って着いて来たんだけど、そんなことなさそうだな」と、諦めたような溜め息を吐いた。
勝手に期待して、勝手にがっかりしないで下さいと、心の中で怒りの声を圧し殺した。
「まあでも、お前がなにか関係ある気はしているんだ」
「いいえ。わたしはちっともそんな気はしないです」
「もしかしたら、お前といたら何か思い出して成仏できる方法思い出すかもしれねーな」と、またベッドに寝そべって、漫画を読み始めた。
「……あの、ひとつ良いですか?」
「ん?」
「もしかして、居座る気?」
「うん。よろしく」
って、幽霊と同居なんて有り得ない!
「無理、無理、無理」
「大丈夫だよ。お前みたいな色気ねー女になんか手出さないって」
「出てってよ!無理だから!」