ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「あっ。信じてないでしょ?
でもちゃんと裏づけとってきたんだから安心してよ!
遠矢くんに葛西領くんの写メ見せてもらったの。
中学校が同じって聞いたからさ。
そしたら、ヨウと同じ顔してた。
それでね遠矢くんからも、花愛先輩とヨウが付き合ってたって話も聞いたから、間違いない。
たぶんだけど、別れたことヨウ後悔してるんじゃないかな?
それで成仏……じゃないや。いちばん肝心なこと言ってなかった」
「肝心なこと?」
「ヨウは生きてるんだよ」
「……」
「生きてるんだよ。死んでないの。
学校で倒れて、そのまま意識戻らなくて、今も眠ってるの。
だからさ、あとはヨウの身体を見つけて戻ればいいだけじゃないのかな?
良かったじゃん」
「……わざわざ聞いて回ったのか?ひな子が?」
「当ったり前でしょ。幽霊につきまとわれたら、今後のわたしの高校生活どうなることやらって感じでお先真っ暗だもん。
さっさと成仏してほしかったから聞いて回ってきたの。
病院に行けばヨウの身体に会えるよ」
風が髪を揺らして、遊ぶ。そっと耳にかけた。
「……ひな子。ごめん。俺、言ってなかったことがある」