ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「つうか……なんか腹減った」と、彼は気だるそうに言う。
「はっ?幽霊ってお腹空くの?」
「なんか食べるもん持ってこい」
幽霊のくせに、幽霊のくせに!
幽霊って食べれなくない?
漫画読まなくない?
オカルト情報誌に写真でも送りつけてやりたいわ。
幽霊の定義変わっちゃうよ?
仕方なくキッチンに行って、おにぎりをひとつ握った。
ヨウ曰わく、腹が減るけど量はあまり入らないらしい。
だから、少しでいいらしい。
「はい」と、部屋に戻ってテーブルの上に置くと、
「ひな子ママ?」と、確認する。
「わたし」
なんでか不審そうな顔で見られた。