ぼっちな彼女と色魔な幽霊

振り返ると、誰もいなかった。

ヨウがいないだけなのに、屋上が広くて荒野みたいにとても寂しい場所に見えた。

のぼせていたような頭が、段々と冷静になっていく。

勢いに任せてヨウを嫌いと言って見送ってしまった。

ヨウは少し怒ってたみたいだった。本当はなんて言ってほしかったんだろう。

わたし、答えを間違った?

力が抜けて、膝から落ちた。

「あがっ……」

そりゃそうだ痛いに決まってる。

膝を見ると軽くすりむけていた。そのまま抱え、頭を垂らした。

ダサくて笑える。

やっぱり悲劇のヒロインにもなりきれない。

だけど脇役にだって感情はあるんだよ。

そんなの、皆知ってる。

大事なのは、その感情を勢いに任せて大切にしなかったのは誰だ?ってとこだ。

脇役のわたしだ。

脇役を脇役のままにした、わたしだ。
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