ぼっちな彼女と色魔な幽霊

目を覚ました彼は、わたしの思いを知らないでまた小馬鹿にしてくるだろう。

そして先輩と肩を並べて歩く姿を見かけるんだ。

校舎の中とか、電車の中とか、もしかしたら街で会うかもしれない。

わたしの知らない好きな人にだけ優しくするヨウを。

幸せそうな微笑みや愛情を写したような瞳をきっと遠くから見るのだろう。

それを想像すると切なくて、今まで読んだ小説が色褪せそうなくらい切なくて、また泣けてくるのだけど。

それがヨウの幸せなら、わたし充分だ。





「……嘘つきーっ。そんなの辛すぎるに決まってる」

自分で言って鳥肌が立つくらい偽善者発言。

そりゃそうだ。

わたし、普通の底辺女子高生。

無視されて感じないふりは得意だったけど、こんな溢れ出てくる感情を感じないなんて無理だよ。

今すぐ、会いたい。

バカにするヨウに。

偉そうなヨウに。

たまに優しく触れるヨウに。

なんでもいい。

ヨウに会いたい。

だって、好きなんだ。

そんな理由、他の人につけられない。
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