ぼっちな彼女と色魔な幽霊

にっと微笑む。

「俺は幽霊だから、お前の気持ちなんてなんでもわかんだよ」

わたしは、おかしくて、ふっと笑う。

「幽霊じゃなくて、色魔だからでしょ?」

「よく言うよ。俺に抱きしめてって甘えた声で言ってきたのは、どこのどいつだ?」

「抱きしめて?」

「風邪ひいたとき、俺に言ったじゃん」

「……はっ?」

親指と人差し指を3センチ程広げ、目を細める。

「こーんくらい可愛かったぞ。
そんときみたいに言えないの?」
< 288 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop