ぼっちな彼女と色魔な幽霊
にっと微笑む。
「俺は幽霊だから、お前の気持ちなんてなんでもわかんだよ」
わたしは、おかしくて、ふっと笑う。
「幽霊じゃなくて、色魔だからでしょ?」
「よく言うよ。俺に抱きしめてって甘えた声で言ってきたのは、どこのどいつだ?」
「抱きしめて?」
「風邪ひいたとき、俺に言ったじゃん」
「……はっ?」
親指と人差し指を3センチ程広げ、目を細める。
「こーんくらい可愛かったぞ。
そんときみたいに言えないの?」