ぼっちな彼女と色魔な幽霊
鼓動なんかやっぱりしない、心臓の温度なんか感じられるわけがない。
それなのに、なぜかヨウが言うようにあったかいものがある気がした。
「なんか、そんな気がするね?」
また涙が出そうになる。ぐっと奥歯を噛んで堪えて笑った。
たぶん、いつもよりも不細工。
ヨウはわたしの顔をまじまじと見つめる。
「……なっ……何?」
ぎゅっとわたしの鼻先を指でつまむと
「我慢すんなよ。らしくねーな。つうかお前は何しても恥ずかしいんだから、思ったとおりにすればいんだよ」
と、偉そうに言った。
「ちょっと何すんのよ?痛いんだけど!」
「生きてる証拠だろ」
「……それは、そうだけどさぁ」