ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「お前さ、俺をてっぺんとか言ってランクづけしてたけど、俺はひな子が羨ましかったよ。
良いことも嫌なことも生身で感じられるんだからさ。魂の俺から見たら、それだけで充分だわ」
「……ヨウだって、もうそうなる」
「当ったり前だろ」
泣いてるわたしの涙を指で優しく拭った。安心しろと言われてるみたいだ。
「わ、わたしが今までこき使われた分、やり返してやるから。覚悟しててよ」
「はっ。俺がひな子に負けるわけねーだろ」
「意地悪したら、おにぎり作ってあげないんだから」
そう言うと、唇が重なった。心地の良い感触。キスされてるとわかると、ゆっくり離れた。