ぼっちな彼女と色魔な幽霊

始業式の翌日。

そういえばヨウが何組なのかも知らない。

すれ違ったらなんて声をかけようかと考えるだけで、わたしの心臓は異常行動を起こしてしまっていた。

だって、まるで付き合いたてで遠距離恋愛をしてしまった恋人の再会のように気恥ずかしい。(といってもあくまで想像なのだけれど)

でも本当に自分の身体に戻って、目覚めたなんて、神様なんか困ったときと初詣くらいしか信仰はないのだけど、いるんだなと思った。

「ごめん。今日ちょっとお昼ひとりで食べるね」

ヨウがいなくなってから、才伽ちゃんとお昼を食べていたから、断りをいれる。

「えっ? わかった。なんかあんの?」

「うん。ちょっと約束が」

「めっずらしい」

そのまま、屋上に向かった。
< 296 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop