ぼっちな彼女と色魔な幽霊

顔を洗って鏡を見つめた。

よしっと気合いをいれる。

目覚めるとヨウがいなかったから、きっと成仏したに違いない。

ベッドサイドのチェストの上に読み散らかされた漫画がそのままにされてイラッとしたけど、それで成仏してくれたなら、それでいいや。

なんだか昨日の夜は偉そうに、とりあえず美術室の幽霊にまつわる話を聞いてこいと命令して、そこからなにか成仏できるヒントを探すつもりだとか言っていたけど、もう関係ないのだ。

もしかしたら、昨日のわたしはただ疲れていただけなのかもしれない。
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