ぼっちな彼女と色魔な幽霊
4
「あのさ、下の名前で呼んでいい?前から、そう呼びたかったんだ」
少し照れくさそうな顔で頬をかく二嶋くん。気になってるってどういうことだろ。
「うん。好きってことだよ」
急にそこで二嶋くんの声が変わった。
「ひな子」
目を開けると目の前にヨウがいた。
「ぎゃあああっ!」
というか、なぜか同じベッドの中に、ヨウがいた。
さっきの二嶋くんの告白は夢か……。
なんて夢を見てるんだ、わたし。二嶋くんになんだか申し訳なくなる。
「なんだよ。幽霊でも見たような声出しやがって。目覚まし鳴ってるぞ」と、枕元の目覚まし時計をオフにした。
昨日の夜、ふと姿を消したものだから今度こそ成仏しただろうと、自分のベッドでひとりで眠っていたはずだったのに。
「今まさに幽霊見てるから!ていうか、なんで成仏してないの?」
「うるせーな。顔を見れば、成仏成仏って」
寝返りを打って投げ出したヨウの手が、パジャマがめくれ、むき出しになっていた背中の部分に触れた。
「……だから冷たいんだってば!」