ぼっちな彼女と色魔な幽霊
放課後、二嶋くんに声をかけられ一緒に図書室へ向かった。
なぜかヨウも一緒に廊下を歩いているから、会話に集中できない。
「ごめんね。本当に」
二嶋くんが謝る。
「ううん。わたし、暇だから」
って、わたしは何をアピールしている。
「部活入ってないんだっけ?」
「うん。二嶋くんは?」
「俺、ときたま陸上部」
「ときたま?」
「うん。ちょっと怪我しちゃってまだ本調子じゃないって理由にしてけっこう休んでる」と、言ったとき背中を押された。
犯人は勿論ヨウ。少し前を歩く二嶋くんにぶつかってしまった。
「ご……めんなさい」
身体を起こして見上げると、顔が近くて慌てて離れた。
じゃなくて、ヨウの奴。
振り返り「ちょっとヨウ何すんのよ!」と叫んだ。
「いや急に抱きつかれたら、ドキッとするかと思って」
「やること小学生!」
「ひな子ちゃん?」
二嶋くんに言われてハッとする。
「ごめんね。行こっか?」
取り繕って笑ってみたけど、もう遅いよね。
わたし、どこまで行っても独り言キャラだ。