ぼっちな彼女と色魔な幽霊

「本のアドバイスゥ?」

「おすすめ本の紹介しなきゃいけないのにさー、お前も本そんなに読まねーし秀一あたりは冷たいし、なにかいい本ないか教えてもらったんだよ」

「あっそう。んで決まったわけね?」

「うん」

「何にしたの?」

答えると、「えっ?漫画?」と、才伽ちゃんは呆れたような目で見る。

「ほら図書室のこと知ってもらう為には、漫画があるってことも伝えるのが大事なんだよ」と、言うからちょっと笑いそうになったけど、二嶋くんは、「って、ひな子ちゃんに教えてもらった」と、付け加えて言うから恥ずかしくなる。

教えた、なんかにならないよ。そう思うのに。

「まあそれもそうだよねー。じゃああたしあれにしようかな。人魚姫」

「人魚姫?なんでだよ?」

「アリエル好きだから」と、スマホを裏返すとケースに赤髪のアリエルが描かれていた。決め顔で微笑むプリンセス。

「ディズニーかよ」二嶋くんが言う。
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