ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「広報には有志を募って、やる気のある奴いれてやるからとか言ってたけど。なかなかいないよな。
大体がもう委員会に所属してるし、できればみんな入りたくないもんな」
二嶋くんが言う。
「宮崎先生もちょっとそれないって顔してたけど、まだ若いから竹本に強く言えない感じ。
ぜーったい竹本、宮崎先生のこと好きだから意見いったら鼻の下のばしてイエスって言うはずなーのに」
「確かに竹本は宮崎先生狙いだよな。態度見てバレバレ」
「あーあーあたしは整理班希望してたのになー。誰かさんがジャンケンで負けるから」
才伽ちゃんは、忌々しそうに横目で二嶋くんを見たから、どうやら負けた誰かさんは彼のことらしい。
「うるせーよ」と二嶋くんも言い返す。
でもそれでも三人って、中途半端。
だって、委員は各クラス二人は入らないといけないから、あと一人はいるはずなんだ。
委員が決まったあとも自分から希望すれば入れる場合もあると聞いたから多いのはわかるけど、少ないのはおかしい。
それを察したように才伽ちゃんが、わたしを見た。
「あとひとりユーレイ委員いるから」
「ユーレイ委員?」
幽霊という言葉にちょっと敏感かも。ヨウの顔が浮かぶ。
「秀一のクラスの、今井ってやつ。最初のほうは見たけど、最近はぜーんぜん」
ため息を吐きながらスラスラと紙にイラストを書き始める。ペンノックに乗っているアリエルが揺れる。