ぼっちな彼女と色魔な幽霊
6
「お前は土日も用事がないのかよ」と呆れた顔でヨウは言った。
「だって遊んでくれる友達いないし」
「知ってるけど。俺はじゃあ出かけてくるかな」と、嫌味ったらしく言って消えた。
でも一人の部屋はやっぱりいい!空気が違う!思い切り腕を伸ばした。
午前中に宿題を終わらせ、作ろうと思っていたブックカバーに手をつけることにした。表の布はこの前一目ぼれして買った浅黄色の生地に月や鳥が描かれているのにした。
切ってあるから、あとは縫い合わすだけ。ママのミシンを借りた。
ヨウがいないから邪魔されることもなく、心置きなく作れてストレス解消にもなる。
それからママに呼ばれてリビングでお茶をしてあっという間に夕方になった。
いったん部屋に戻り、読みかけの文庫本に新しいカバーをかけた。可愛く出来たかもと、わくわくした気持ちになるから単純だ。