ぼっちな彼女と色魔な幽霊
それにしても、ヨウはまだ帰ってこないのか。
友達いないとかバカにするけど、ヨウだってわたしとしか喋れないくせに。
見栄張ってどこまで行ったんだか。
なんとなく机の三段目の引き出しをあけた。マスキングテープや画用紙とかが入っているわたしのお気に入りの場所。
ふと思い出したのは、才伽ちゃんが言っていたしおり作り。
どういう風に作っていたっけなと、思い出しながら厚紙を切りマスキングテープを何種類も貼る。
穴をあけてリボンを通した。
可愛くできたかも。
こういう手作りはやっぱり好きだな。
なんてったって、中学のときは手芸部だったし。
あの頃もクラスに仲良くできる人があまりいなかったけど、部活は好きだった。
地味だったと思うけど、あの場所で同じような感覚の友達といれた時間が懐かしく感じる。
それがひとりでもふたりでも。
羊毛フェルトでつくった人形を交換したり、手作りのシュシュだって可愛いとつけてくれた。
今、どうなんだろ。
わたしが可愛いと思うものを可愛いと伝えられる人なんて世の中にいくらもいない。
ふと、手を止めた。