ぼっちな彼女と色魔な幽霊
「あれ?」
「お前の偵察なんかバレバレだっつうの」
「嘘。いつから?」
「……最初からだよ。俺を見つけてこそこそ隠れるからなんか企んでのかと思って後つけさせてた」
「嘘!」と、大きく反応するとクスリと笑った。
「つうか今、お前変な男にあとつけられてたぞ?」
「はっ?」
「でっかい独り言喋ってるからか、逃げてったけど」
「……そういうの早く言ってよ!危ないじゃん!」
「今、気がついたから声かけたんだよ。一応女なんだから危ないとこ歩くなよ」
「ヨウが公園歩くから」
「バカ。ちゃんと自分で判断しろってことだよ。自己責任」
「バカって……だってヨウが帰ってこないからさ。
買い物帰りに偶然見かけたから、どこに行くのか気になったんだってば」
「俺がいなくてそんなに寂しかったのか?」
「……んなわけない」
「浮気調査みたいだから」
「浮気って付き合ってないでしょうが!」
「まあそうだけど。あ、そういやお前に訊き忘れたことあったんだよなー」とニヤリと笑った。