ぼっちな彼女と色魔な幽霊
7
朝起きたらヨウがいると思ったのにいなかった。
おにぎりが食べれなかったからって、すねてついに成仏しちゃったとか?
「……お前が怒ってどうするんだ」
怒りたいのは、わたしだよ。
呟いて学校へと向かった。
「おはよ」
教室に着いてしばらく文庫本に目を通していると、才伽ちゃんから声をかけてくれた。
「……お……おはよ」
この前少し話したから、そんなに緊張しなくてほっとする。
「あれー? 何これー? しおり?」と、驚いた声を上げた。
振り返ると才伽ちゃんの机の上に数枚しおりが置いてあった。
昨日、わたしが作ったのに似ている。
「誰が置いてったんだろ?かっわいーよね」と、わたしに見せるけど自分で作ったものに思えて、「うん」とは言えなかった。
「もしかして西宮さん?」
「えっ?」
「図書委員で作ったことあったって言ってたから」