ぼっちな彼女と色魔な幽霊
悪い反応じゃない。
大丈夫かな?バカにされないかな?
考えてから軽く頷いた。
「すげーじゃん。可愛い」と、まじまじと見ても笑顔で言うから少しほっとする。
だって昨日作ったけど参考にしてなんて渡す勇気がなく、家に置いてきたんだ。
ヨウが忘れ物だと思って持ってきたのかな?
無邪気に誉めてくれることに心を赦し、「しおり作りのこと気になって、良かったら参考にでもしてほしいなって思って」
なんて、昨日思っていた科白を気づけば言っていた。
「うん。二嶋に早速見せてみるわ。作り方教えてくれる?」
「簡単だよ」と、手順を教える。
「好きなんだ?こういうの?」
「好きって程じゃないけど」
「……あ。そうなの? なんだごめん気を遣わせたね」
「えっ?」
「委員会入んなよとか言っちゃったから、気にしたんでしょ?
ごめんごめん。そこまで考えなくて良かったのに。
嫌なら嫌でいいんだからさ。
でも、これありがとね。
参考にさせてもらう。ごめんね、本当に」
「……あ」
違うと思ったのに、言えなかった。
それから授業を受けたけど、モヤモヤが晴れない。