ほんとは優しい私のオオカミ ②
門のところに行くと、すでに黒狼メンバーはペンキを塗る作業に入っていた。
瑠奈「おーい!みんな、わたしも手伝うー!」
「瑠奈さん!?」
「わるいっすよ!」
「制服が汚れちゃいます」
メンバーのみんなは私のことを思って言ってくれてるけれど、私だって頑張りたい!
瑠奈「いーの!わたしも何かやりたいの!えーっと、このペンキで塗ればいいの?」
積極的に動く私を最初は遠慮していたけれど慣れるにつれて、笑顔でいろいろ教えてくれた。
何時間もペンキを塗っていたけれど、全然苦にならなかった。
いままで誰かと何かを作ったり、こんなに夢中に団結したことなんてなかったから。
あともう少しで、完成というところまで来たところでペンキがきれてしまった。
「ペンキそっちあるかー?」
「もうこっちもこれで最後ー」
「ペンキどこにあったっけー?」
瑠奈「あ!わたし取ってくるよ!たぶん教室にあると思うし!」
「え!でも瑠奈さん、ペンキ重いっすよ」
「俺いきますって!」
「いや、俺が行く!」
「いやいや、俺が瑠奈さんの代わりに!」
「いやいやいや!俺が!」
なんだか、軽い言い争いになってる...。
さっと、取ってこよう。たぶんその方がはやいよね。
すばやくその場を離れて、教室へと急ぐ。
瑠奈「ペンキ。ペンキ。」