ほんとは優しい私のオオカミ ②
慌ただしく、隼人は教室から出て行ってしまった。
がしゃんっ!
隼人「いってえ!!」
どうやら急ぎすぎてどこかにぶつかったみたいだ。
瑠奈「っぷ」
その様子を見て、メンバーも笑いをこらえている。
瑠奈「じゃあ、わたしもそろそろ行くね。みんなで準備頑張ろうね。」
「「「はい!!」」」
私も教室を出て、看板のところに戻ろうと向かう。
階段のところを曲がろうとして誰かにぶつかった。
瑠奈「っっわ」
優也「おっと。すいません。瑠奈」
この声、優也だ。
瑠奈「こっちこそごめんね。優也。っへ?」
目の前の優也の格好にびっくりした。
し、執事だ...。
ネクタイと、ベストは白銀でその他は真っ白。
優也「ああ...。これですか、今、生徒会の出し物の衣装合わせをしているんです。執事カフェをやるので。」
すっごいカッコいい。
なんか輝いている。
瑠奈「なんか本物みたいー...。」
ぼーっと見つめていると、顔をそらされてしまった。
優也「そんなに見つめないでください。」
瑠奈「ごめん。でも本当に本物みたいにカッコいいんだもん。なんかセリフとかあるの?」
聞くと、優也が少し赤くなった。
優也「ありますけど、やりませんよ。」
瑠奈「えー。なんか言ってみて!聞きたい!お願いー!聞きたい聞きたい聞きたいー!」