ほんとは優しい私のオオカミ ②




嫌がっていたけれど、私が聞きたいを連呼しているとふと優也が真顔になった。




お??




優也「お嬢様。貴女は私にとって、この世でたった一人の主...愛していますよ。お嬢様」




う、うわあ~。




さすがに真っ赤になってしまう瑠奈。




どこかで、優也を呼ぶ声が聞こえた。




優也「ふふっ。もう行かなくては。それではお気をつけて。お嬢様」




最後にあたまを二回やさしくポンポンと撫でで、優也は優雅に立ち去った。




な、なんか、すごい破壊力。




まだ赤い頬を両手でさすりながら、階段を降りた。




さすがにあれは、ずるいなあ。




カッコいいに決まってるじゃん。




玄関に近づいてくると、看板がちょうど見えた。




もう出来上がっているらしく、黒狼メンバーで持ち上げていた。




わたしも行かなくちゃ。




急ごうと一歩踏み出そうとしたとき。





「こいつ、今までさぼりやがって~」



「文化祭期間だからって、来たのか~。ずりぃなあ」




「わるい。わるい。いろいろ忙しかったんだ」




え?



この声。



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