ほんとは優しい私のオオカミ ②
泣きながら抱きしめあう二人に周りがざわつき始める。
春「お嬢様。少し話そう。こっち」
まだ泣き止まない私の手を握って、場所を移動する。
春だ。本当に春だ。
もう会えないかもしれないと思っていた。
変わらない春。
春と移動した先は誰もいない屋上。
春「外に無事でれたんだね」
嬉しそうに、暖かい笑顔で言ってくれる。
瑠奈「うん。全部、春のおかげ。感謝してる。本当に」
春「まさか、同じ学校にいるなんて驚いた。なんだか変な感じだな」
へへっと、照れる春。
そんな春の顔を見て、会ったときからずっと思っていたことを聞いた。
瑠奈「春。その、左目は?」
春の左目には白い眼帯がされていた。
春「えっと...」
瑠奈「正直に言って」
悪い予感がする。