ほんとは優しい私のオオカミ ②



春の目を見つめるとふいっと目をそらされた。



瑠奈「まさか...零なの?零が春に?」




春は何も言ってくれない。




瑠奈「お願い!春。何か言って!私もう逃げないって決めたの。」





迷った後、春は私が愛染を出た後のことを話してくれた。




春「瑠奈が愛染から出た後、組の中は混乱して。瑠奈がいなくなったってもし組長に知られたらって」




零の冷酷さを思い出すと体が震える。それは春も同じみたいで。




春「俺はその間、別室でずっと監禁されていた。でもある日、八雲さんの部下の西田っていう人が来て...」




西田さんは八雲の部下だったんだ。



ぎゅっと左目をおさえる春。



まるでその時を思い出しているように。




瑠奈「大丈夫だよ。はる」



きゅっと震える春の手を握ると、春もそっと握り返してくる。








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