ほんとは優しい私のオオカミ ②
それは正式に零様と顔を合わせた時も変わらなかった。
八雲父「零様。本日より彼方様の従者として我が息子、八雲をお使いください」
八雲「八雲と申します。」
教養どうり父にならって礼をすると零様は天使のごとく、微笑まれた。
零「よろしくね。八雲」
その時から零様と私は、ほとんどの時間を共に過ごすようになった。
零「ねえ。八雲。僕の友達としてずっと隣にいてね」
零様はたくさんのことを私にお話になった。
その中でも一番多く話に出てくるのは決まって、”瑠奈”という少女の話だった。
零「瑠奈はね。ウサギがとっても好きなんだよ。だから瑠奈の部屋にはたくさんウサギのぬいぐるみがあってね...」
大人が聞けば可愛い小学生の話だろうが、私は早くも零様の異変に気が付いていた。
零「でもね...羨ましいなあ。あのウサギ達、毎日瑠奈と一緒にいられるんだね...首もいだら瑠奈悲しむかな」