ほんとは優しい私のオオカミ ②



私はゾッとしながらも同時に主君の狂気さに、心を動かされた気持ちになった。



”私がつかえるのは、このお方だと”



従者の私と零様は何かあった時のため同じ小学校、同じ中学校に通う。



しかし登校時は零様はあの女と学校に行く。



白い悪魔。


白い髪に白い肌、それに不気味な赤い瞳。



そんな気味の悪い女の隣を嬉しそうに歩く零様を見ると苦々しかった。



しかし私は従者。



零様のお傍を離れることはできない。



常に零様に気づかれないよう後ろを歩く。そんな毎日が続いた。



しかし中学生になったある日、ことは起きた。



なにやら、もめている。眺めていると女が零様を置いて走って行った。



それから毎日あの公園で零様は待ち続けたが女が来ることはなかった。



八雲「零様。学校に遅れてしまいます。」



零「...八雲か。ねえ。僕、何か瑠奈に悪いことしたのかな。瑠奈ぜんぜん来てくれないし、学校でもやっぱり話してくれないんだ」



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