ほんとは優しい私のオオカミ ②
またあの女だ。
協力者の始末を西田に託し追手の指示は出さなかった、私は束の間の夢に浸っていたのだ。
仕事ではありながらも普通の零様と過ごす、この日常を。
きっとすぐに零様には女が逃げたことなどすぐに見つかってしまうだろう。
零様はもう忘れてしまっただろうか。あの優しいお言葉を。私が初めてお仕えしたときかけて頂いたお言葉を。
『ねえ。八雲。僕の友達としてずっと隣にいてね』
それまでは普通の零様でいてほしい。私の、友人として。