ほんとは優しい私のオオカミ ②
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恐れていた日が来た。



あの女がいないことが零様に知られてしまった。



目の前にいる零様は、ひどくお怒りだ。



女の世話役を集めて問いただした。



零「ねえ。瑠奈はどこなの?」


世話役たちはガタガタと奇妙なまでに震える。


零「どうして話さないのかな?その唇は何のためについている?」



なんとも気の毒な怯えようだ。



きっと零様に殺されてしまうんだろう。



零「...まあ、いいや。八雲」


八雲「は...」


私が差し出したのは愛染家の家紋の焼き印。




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