ほんとは優しい私のオオカミ ②
私はいつも通りに翔と同じ車に乗る。
瑠奈「翔はバイクに乗らないの?」
翔「瑠奈と一緒だからいい」
照れ隠しにガシガシと頭を撫でられる。
照れてる~。
たくさんのバイクが夜の街に煌く。まるでたくさんの星みたい。
先頭を隼人と蓮が走り、翔と私が乗っている車の両脇を優也と空が走る。
久しぶりだからみんなも大いに盛り上がっている。
でもいつも思うんだけど、どうして警察沙汰にならないんだろう。
瑠奈「ねえ?どうしてこんなに騒いでるのに警察こないの?」
聞くと翔がニッと笑った。
翔「まず、この辺の治安を警察無しでまとめられてるのは俺らだから。あと知り合いに警察の偉いのがいるから。」
なるほど。この辺の治安守ることを条件に多めにみてもらってるのね。
しばらく街を走りまわって、みんなで騒いでいたとき、突然輪が乱れた。
先頭のメンバーのバイクが激しく転倒したのが見えた。
すぐさま一同、動きを止める。
瑠奈「翔...」
不安になって翔の名前を呼ぶと、「大丈夫だ」と言ってくれるが翔も微妙な顔をしている。
優也「何事ですか!?」
想定外のことに優也がすぐに状況を確認する。