ほんとは優しい私のオオカミ ②
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【瑠奈side】



これで良かったんだよね...。



こうするしかなかったんだよね...。



私は、あの場から車で愛染家に向かっていた。



隣では零が嬉しそうにニコニコしている。



そんなこともどうでもいいくらいに私の心は、不安ともう黒狼メンバーにも翔にも会えないどうしようもない悲しみで満たされていた。




零「...瑠奈?」



瑠奈「え?」



いつの間にか零が私の顔を覗き込んでいた。



零「今日のご飯は何がいい?あ、でもまだ時間あるから買い物でも行こうか。瑠奈のためなら何でも買ってあげるよ」



瑠奈「あ...。」



なんだか久しぶりに零が昔の優しい零に戻っている。



瑠奈「大丈夫...ほしいものないから...」



あっても零には与えられないから。
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