ほんとは優しい私のオオカミ ②
その恐ろしい一言は夜の闇にすぐに溶けて消えた。
蓮「...とにかく戻ろう。タクヤ運転できそう?」
タクヤ「...は、い。」
掠れた声で、返事をしてからタクヤは車に向かう。
蓮「翔、車乗って。それと...あんま殺気立てるのやめろ。」
自分に向けられているものではないとわかっていても、さすがにきついものがある。
なんたって翔の殺気だもんな。
俺が声をかけても翔は反応しない。
蓮「一回、倉庫に帰って優也たちとメンバーと考えなおそう。」
翔「ああ...。」
やっと返事はしたものの眉間の皺は深く、なぜか俺のバイクにまたがるとすごい勢いで走って行った。