ほんとは優しい私のオオカミ ②


久しぶりの零の冷酷さに私もかすかに体が震えた。



慣れた手つきでナイフをくるりと回して持ち替えると一番近くにいたメイドの髪を再びつかんだ。



ううっと女はうめき声をあげた。



零「ええっと旅行先はどこがいい?国内じゃつまらないよね?アメリカ?ロシア?」



ふふっと微笑をもらしながら零がメイドに語り掛ける。



零「ああっ。カンボジアなんてどう?需要が多そうだし、いい旅になりそうだね。…もちろん君たちの中身…臓器だけの旅だけど」



「いやあ」



耐えきれなくなったメイドが零の手を振り切って地面に這いつくばりながら逃げようともがく。



それをみて零が、はあっとため息をつく。



零「やっぱ、うるさいなあ。手間もかかるし…いらないや」



まさかっ



零が手を振り上げたのを見て私はとっさに飛び出した。











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