ほんとは優しい私のオオカミ ②


慣れた手つきで手当が終わると、後ろに控えてたメイドを獣の如く鋭く睨みつける。



零「お前たちの処罰は後だ。今すぐ視界から失せろ」



あまりの怒り具合にメイド達は身体を震わせやっとの思いで部屋を出た。



瑠奈「零…」



零「心配しないで、あとで僕が殺しておくから。瑠奈は安静にしていて。…あぁ、跡が残ったらどうしよう」




その言葉にドキッと心臓が跳ねる。




瑠奈「ち、違うの…。殺さないで」



零「なぜ??」



きょとんとした顔でさも理解できないという顔をする零。


…わからないんだ。ほんとにわからないんだ。


なぜ私がメイド達を殺さないでといったのか本当に理解できない零に、もう手遅れだということを悟った。



私には何も変えられないの?翔…





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