ほんとは優しい私のオオカミ ②



ふと冷静な声音で零が銃を撃つ。



バンっ


瑠奈「あ…あ…」


弾は頭に命中し今まで呻いていた声が一瞬で消えた。


おじ様の身体からは、血がドクドクと流れ出ている。


な、なんなの…この光景は…


気付いた時には私は涙を流し、口に手を当て嗚咽する声を抑えていた。


その隣で零が冷たく冷ややかな目で実の父を眺めている。


瑠奈「どうして…?どうしてよぉ…」


なんで実の父まで手にかけるの?なぜなの零?なぜそこまで、できるの?


零はなにも答えずただボーっと父の亡骸を見つめていた。



しばらくすると、カツカツと静まり返った地下室に足音が響いて、八雲が現れた。



八雲「こんなところにいたんですね」







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