ほんとは優しい私のオオカミ ②


カチャリッ



小さな音をたててオルゴールは開いた。



瑠奈「開いた!」



中身はガラクタばかりだった。走り書きのメモや手紙、そしてウサギのキーホルダー。それを見た瞬間、様々な記憶が呼び出される。



瑠奈「これ…。このウサギ、私がバレンタインにあげたキーホルダーだ…」



これは小学生の時に零の顔を描いた絵。これは手作りのクッキーを渡したときに付けたメッセージカード…。



普通だったら捨ててしまうような小さな物まで零にとっては宝物だったのだ。鍵をかけてまで大切にしていたのだ。




瑠奈「零…。」



まだ…。まだ間に合うはず!零は昔を忘れていない。優しい零に戻せるはず!
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