ほんとは優しい私のオオカミ ②
「すまなかった。瑠奈の異変に気が付かなかった」
瑠奈「ううん。私こそ嘘ばっかりでごめんなさい」
空白の三年を埋め合わすように抱きしめるお爺様。
「そこにいる大神の子息が教えてくれた」
瑠奈「翔が?」
振り返ると翔がお爺様にペコリと礼をした。
「行こう。瑠奈。家に帰ろう」
家…。そうだ。私の本当の家はお爺様と暮らした場所だ。
いままで倉庫が家だと思っていた。
私は養女でも龍恩寺家の人間。もう戻らなければならない。
瑠奈「ちょっと待ってて」