ほんとは優しい私のオオカミ ②
第二章
裏切り
そのときの声の持ち主が、目の前にいるこいつだ。
咲「黒狼の裏切者はあなただったのね........
”西田”」
西田「裏切者だなんて、もともと黒狼の仲間じゃないですから裏切ってはいませんよ。裏切者という言葉は逆にあなたにピッタリですよ」
西田がしゃべったところは初めて聞いた。
もともと黒狼の仲間じゃない?どういうこと?
咲「あなた私が前に翔の彼女だったときもいた。ってことは、何年前からここにいるの?」
西田は無表情で答えた。
西田「あなたが知る必要はありません。私はある人の命令でここにいたのです。ですがそれも、もうすぐ終わり」
咲「は?」
ある人の...命令?
西田「あなたはよく私の思うとおりに動いてくれました。ですが、もう用済みです」