ほんとは優しい私のオオカミ ②



声は低いしやっぱり悪者みたい。





「ふえーーーん」





男の子が泣き出すと、不安の波が広がり他の子も泣き出した。





あーあ。お部屋が泣き声だらけ。





おじいさんは、なんだかぎょっとしたような顔をして慌ててた。






瑠奈「ぷっ。」





悪者なのに変なの。





笑っていたら、おじいさんに気づかれた。




わ...。どうしよう。







おじいさんは無言でこっちに来て言った。






「何歳だ?」





指で四つとやる。






「ほう。我が龍恩寺家の象徴、白龍にふさわしい見事な白い髪だ」






この人...私の髪の毛ほめたの...?






このとき生まれて初めて喜びを感じた。






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