あなたの胸で泣かせて
案の定智代はびっくりしていた。
俺の感情を表に出さないように、よっと声をかけてみるも逃げられた。
予想はしていたが智代も案外走るのが早い。
部活でもこんなにスピード出さないが智代を捕まえるのにこんなに反射できるんだ、と自分でも感心。
すぐに捕まえ近くの公園のベンチに座らせる。
それまでは無言の2人で智代がびくびくしてるのが伝わった。
何にそんなに怯えているんだ?と思いながら、
「智代、最近どうした?」
「ごめんね、中々体調がすぐれなくてさっ」
笑顔で返されるも俺と目をあわせてくれない。
「俺の目見てもいっかい言って?」
そう言うと智代は黙りこんでしまった。