あなたの胸で泣かせて
不安なのは私だけじゃないんだ。
それが智代の心に強く感じとれた。
帰りのバスの中では手をつなぎ沈黙が続いた。
だけどそれは嫌な沈黙ではなく安心できる時間だった。
バスを降りたあと秀敏が
「少しあそこの公園で話しをしようか」と提案をしてきたので、智代は「うん」と言った。
公園のベンチに座ったふたりは同時に
「ふーーーー」と息を吐いた。
びっくりした二人は目を合わせ笑った。
「今日は特別何もしてないけど、智代と過ごせた時間幸せだったな」
あぁ、同じ気持ちだ良かったという気持ちから
「私もとっても楽しかった。ありがとう」そう答えた。
「でも今日の智代は少し力が入ってたみたいだけど」
「お前の心は全部俺に預けて良いからな」
と言って智代をぎゅっと抱きしめた。
あーもうぜーんぶ俺のものにしてぇ。
そんなことを言ってるとは知らず智代は秀敏の匂いとぬくもりの幸せに浸っていた。
「そろそろ帰ろうか」
そう言って自然と手をつないだ二人は家に帰ることにした。
すると秀敏が突然
「1と2どっちが良い?」と聞いてきた。
何が何かわからなかったけど
「1?」と答えると、「わかった」と言って智代を抱き寄せた。
両手をほっぺたにつけて挟んで
「ディープやけど良い?」
返事を聞く前に刺激的なキスをしてきた。
初体験の智代にはせっかく落ち着いてきた胸のドキドキを再びよみがえらせた。