あなたの胸で泣かせて
智代の涙
家に到着した二人は暑いねなんて言いながら下敷きで仰ぎあいっこした。
部屋もエアコンをつけてくれて、涼しくなってきた頃に
「そろそろ宿題しよっか」と言って、それぞれ宿題を出した。
智代はなかなか進めることができず、秀敏をちらっとみると目が合った。
「どうしたの?」
「いや、秀敏って意外に頭良いんだね。いっつも授業中寝てるイメージがあって先生に注意されてる気がするんだけど。」
「だって俺天才だから、先生の話し聞かなくても良いんだ。」
「というか、宿題をちゃんとするのも意外だね」
「俺天才ってとこ、スルーしてほしくないんだけど(笑)
俺のこと馬鹿にしてるだろ?
だけど、確かにこれは智代に会うための口実かもしれない」
そんなことを言われても今の智代にはなかなか響かなかった。
すぐに察した秀敏は
「智代、何考えてる?」
「んーん、なんもないよ!
それより宿題早く終わらせなきゃもうすぐ学校始まっちゃう」
自分でそうは言ったものの学校始まっちゃうのか、はぁ、また始業式、あの人たちにまた避けられちゃうのかな。
というか、あの人たちってサッカー部だったよね。
秀敏と同じ部活じゃん。
あぁよりによって。。。。
ダメだとわかっていても悪いことを考えると
プラスに変えることのできない私は、
どんどんマイナスに陥って行ってしまった。